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清浄度と肥沃度

何がどうなる(窒素供給源)

 先ず肥料(無機態窒素N)分と腐敗成分が無くなります。同時に他の無機態肥料分(リンP,カリK)なども無くなると考えられます。この時、特徴的な変化が現れます。最初は虫食いや成育ムラ、収量減などのマイナス現象として現れ、ある程度浄化が進むとプラス現象に転じます。
転換以前の履歴や高炭素資材の投入量の多寡により、多少の時間差がありますが転換時の「窒素の供給源と量の変化」は、大凡図のような経過を辿ります。
縮小画像をクリック!。 準備期間(0~12ヶ月)は気候条件や汚染度により変わります。施肥栽培からの転換直後で、慣行の3/4以上の収量なら実質的施肥栽培。無理せず10~15t/ha/一作、程度の餌を与えます。それ以下なら準備完了とみて、積極的に炭素資材の大量施用を開始します。目安は、準備期間の2~3倍量です。新開地や長期放置農地(10年以上)、自然猿真似農法からの転換なら準備期間はゼロ。最初から大量投入して構いません。
 準備期間の2~3倍量:
10t×3×3作/年≒100t/ha/年。これを堆肥化すれば約30tに減量する。この量は慣行栽培(化学肥料+堆肥)で推奨されている堆肥の投入量。つまり化学肥料を止めるだけのことである。
また現物(100t)が水分65%とすれば、乾物量で35t。緑肥作物の最大収量(上図の100以上の窒素レベルでの登熟時)とほぼ同じ。圃場で大気中のCO2を固定しても、炭素源を圃場外から調達するにしても、まったく無理のない普通の量である。
 
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リセット

 自然農法と言ってもやり方は多様。ただ共通して言えることは、最初の提唱者以外は試行錯誤の結果、こうしたら「出来てしまった」というものが全てでしょう。そもそも、最初に自然農法を説いた故岡田茂吉氏は原理や理念を述べましたが、その詳細について具体的な説明はしていません。

経緯からして、その後に続く自然農法の実践・指導者たちにも、理に基づく技術が見られないのは当たり前と言えるかも知れません。しかし、彼らが何から知識を得、何を以って説こうと、自然の理(原理、法則性)と技術の関連を明確に説(解)かない限り、何時まで経っても自然農法は、表(おもて)の農業として認められることはないでしょう。

天の啓示や信仰と無関係な我々は先ず、慣行、有機、自然農法の知識や技術、自然そのものに対する見方を一旦リセット、こだわり(人の思い)を捨て、在るがままの自然の姿を、初心に帰って学びなおすことが近道と思います。

はじめにお断りしておきます。葉色が濃くなる薄くなる、虫が付く、食味の低下など、転換時には必ずと言ってよいほど「施肥障害」が起きます。この際、他(資材など)を疑う前に先ず自分を疑い、微生物の生息環境(特に酸欠対策)を見直しください。
自然の側から事象を捉えることを忘れれば(責任転嫁)、真の原因が見えなくなってしまいます。豊富(余計?)な知識を持つほどに、犯しやすくなるミスです。土作り=微生物の放し飼い。常に“飼う”という感覚が大切です。飼育環境に配慮し溺れさせない。そして、知識に溺れない(笑)。
二大要因(清浄度と肥沃度)

慣行と自然農法の実際面での相違は、施肥と防除の有無。この相違の基因は、土の「清浄度」と「肥沃度」という二大要因にあります。施肥農法では施肥量が増すほど清浄度が落ち、二つの指標は相反します。
肥沃度:施肥の場合は可吸態無機養分量。無施肥の場合は微生物による養分供給力を主に意味する。

施■■低■■■ 清浄度 ■■■高■■無
肥■■多■■■無機成分■■■少■■肥

肥効成分による直接汚染やそれより生起する、腐敗による二次汚染などの一連の事象を、岡田茂吉氏は「肥毒」と呼び、全ての障害の原因と看破しています。
この一点さえ理解すれば、あとは自然の力の応用で、痩せ地を清浄なまま肥沃化したり、高度な汚染地(肥料過剰)を肥沃なまま清浄化できます。汚染源は肥沃化の原料であり、その浄化こそが、防除に代わる最大の防御。取り除く(殺す)のではなく有用なものへの転換です。

自然の理を理解せず手痛いしっぺ返しを受け、逃げ腰になっているのが現在までの自然農法と言えるでしょう。あくまでも原理に基づく自然の仕組みの応用であり「あれはいけない。これもダメ。」と逃げることが自然農法なのだと提唱者は言っていません。『積極的に自然の意思に従う』です。  
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耕すと混ぜる

耕す

 自然農法は不耕起との決め付けは反自然。土を生かすためなら何をしたって構いません。死んだ土を早く生き返らせるために、時には少々荒療治もやらなければならないのです。ただし慣行的な、物理的な土塊粉砕が目的ではありません。
水田の代かきは不透水層の補強でもあり、保水状態に応じてやればよく、ザル状態で不耕起にこだわるのは馬鹿げた行為です。耕起して出来ないのであれば、その技術は自然の理に沿っていない証拠。何処かに矛盾があります。
一度だけ

 可能な限り深く起こします。硬盤層破砕に併せての天地返しは、腐敗層を空気に晒し、好気性菌による腐敗物質の分解です。その際、EM菌ボカシ(別名:ドブ掃除菌^-^)を同時に鋤き込むと、深い所の腐敗を抑える効果があります。この一連の作業は清浄化を早めるために、肥沃化成分を捨てるやむを得ぬ処置です。

高度汚染の土を天地返しすると、有害成分が全体に混ざり、すぐに植えられません。高濃度の無機態窒素や塩類による、濃度障害(根やけ)で枯死したり、過剰吸収(生理障害)で萎れたりします。窒素や塩類は地表近くでは水分が飛び、急速に高濃度に濃縮されます。

土のリセットですから、炭素比の比較的高い未熟堆肥(中途半端なC/N比)で急速に、土壌中の無機態窒素(腐敗の一因)を、微生物に固定させる(無機成分の生物化)という、一回限りの荒業も使えます。ただし、窒素飢餓で暫く(1~3ヶ月ほど)は何も育ちません。
難分解性高炭素比(オガコや木材屑など)の高温発酵処理(キノコの培地化)した物は、窒素過剰の土では特に有効です。これは事故などで一度に大量の微生物を死なせ、分解・放出された無機態窒素の生物化(固定)にも使えます。
均一に


白色の水性ラテックス塗料を流し込んだ土の断面。水は、横には広がらず真下に浸透。
耕土層は腐植が減り黒色ではなく土、本来の色に近い。
 自然農でよく行われる、高畝は要注意です。乾燥しやすい土地では乾燥を助長し、むしろ有害です。また、不耕起で畝を固定し通路を長年月、踏み固めると、地下の水の流れを堰き止めます。
通路の両側1~2m程度(丁度、畝の部分)を排水不良にし、地下の深い所を腐敗させる、原因になる場合があります。圃場周囲の道路なども地下で堰の役目をします。

転換後は次第に根圏が拡大、根量も多くなり、根が枯れれば微生物が養分化、雑草や次の作物がその養分を求め、また根を伸ばす。この繰り返しで、土壌改良が進み土が深い所まで団粒化、土の清浄度が上がり硬盤層が消えます。土は作物自身によって深く耕されます。

写真(右)は十分な炭素量で約5年。雨水が地表を一滴も流れない土です。このようになるとかなり低い養分濃度でも作物は育ちます。
大量の降雨があっても全て地中に滲み込み、地下に流れを作ります。地表を雨水が流れ去ってしまう状態の土では考慮外なことですが、土が良くなるほど、この地下の水の流れの良否が、作物の生育に敏感に反映されるようになります。

全面同じように表面を浅く耕し、雑草などの有機物を混ぜるのが良い方法です。畝を固定した場合は通路にも、有機物を入れます。
良く団粒化した土は復元力があり、足跡などは翌日には消えてしまいます。また、トラクターが走り回ったくらいの踏み圧で、硬盤層が出来るような土ではまだまだです。ただし、雨後2日ほどはタイヤで練り固め団粒を壊すため、初期の内は絶対に入れてはいけません。

混ぜる

 土の中で有機物を分解させると、最も効率的に団粒化します。表面に敷くだけでは非効率的で、少しでも早く一定水準の(最低限虫に食われない作物の育つ)土にしたい、転換初期には良い方法とは言えません。
少なくともプロのやることではありません。機械力の無い家庭菜園では、薄く土で覆えば良いでしょう。

浅く混ぜる理由は、十分酸素が届く範囲で、入れた有機物を腐敗させずに、土に触れさせるという意味です。勿論、水による移動もありますが、大量の微生物が繁殖している有機物が土と触れないことには話しになりません。
土に混ぜた場合と、表面に敷いた場合、堆肥化した場合の同一収量を得るために必要な、生の有機物量は大よそ下記のようになります。十倍の有機物を使って、環境保全や永続性など語れないことが分かるでしょう。

 混ぜる(耕起) 1   (炭素循環農法)
 敷く(不耕起)  3~5  (オーソドックスな自然農法)
 堆肥化(耕起) 5~15 (一般的な有機堆肥農法)

団粒化が進めばそれに合わせ、有機物を次第に深く入れても構いません。目安は初年度10cm、2年目から5cmずつ深くし、最終的には通常の機械で可能な、25cm程度まで有機物を混ぜます(順調に土壌改良が進んだ場合)。但し、キノコ廃菌床は最初から大量に酸素を消費するため常に浅く混ぜます。
団粒化し、通気性の良くなった耕土層は、全体の条件がほぼ均一で、混ぜたからといって、微生物相を撹乱する心配などありません。深く入れれば更にその下の、直接耕せない心土を、より早く団粒化することが出来ます。尤も、表層部が団粒化してくれば、深く混ぜても進行具合に大差ありませんから、腐敗が心配なら常に浅く混ぜておきます。

緑肥作物利用は、あくまでも炭素の固定が主目的。やむを得ず、若い雑草やマメ科緑肥、炭素比が低い=窒素が多い、作物残滓などを使う場合は、炭素比を上げるため乾燥したり、高炭素資材(未処理のオガコなどの木質は分解が遅く調整効果がないため不可)を加え調整する必要があります。特に有機物の処理能力の低い転換初期は要注意です。分からない場合は敷くにとどめます。
 炭素の固定が主目的:
慣行農法のように窒素固定が多い物は不可。窒素の固定は鋤込んだ炭素を利用する微生物に任せる。実践2の土を、USP(サンパウロ州立大学)農学部の教授(微生物研究が専門)が分析したところ、窒素固定に関わる菌が一般的な施肥栽培土壌の9倍いるという結果。これらの菌のエネルギー源の確保が緑肥作物の利用。窒素ではなく、炭素固定能力が高いもの(C4植物)の方が良いのは自明の理である。
 

植える

植える

根の深さ cm
トウモロコシ 230
ハクサイ 170
ニンジン 150
ナス 140
キャベツ 120
コムギ 120
ダイス 100
トマト 100
ホウレンソウ 100
イネ 80
ジャガイモ 80
 新規開墾や転地返しで、リセット状態の土では、いきなり何でも育つというわけにはいきません。土を教育し自給自足での、養分供給回路(作物と共生関係にある微生物)を整える必要があります。
清浄度、肥沃度、共に転換初期は表層部から徐々に良くなります。成長に従い根の張り具合が変われば養分供給場所(深さ)も変わります。そのため急成長あるいは停止や病虫害が出たりもします。また、場所により生育ムラが起きたり、育つ作物の種類が限定されます。

作物毎の根の張る深さは、土壌状態や生育状態などにより、一概には言えませんが、 土壌改良が進めば圃場周辺部の生育状態から考えて、画像( 野菜の根はどのくらい広がるの?[野菜の語り部・チューさんの野菜ワールド] )以上の根域が形成されると思われます。根が広く浅い作物は高い肥沃度が要求される代わり、比較的初期から良くできます。深く広いものは、低肥沃度でも全体の清浄度が高くなければならないわけです。
圃場周辺部の生育状態:
圃場外には養分が殆どない。道路などで踏み固められ根が張れない。など、外周部分は根が半円状にしか広がれず片側が使えないため、転換初期には1~3m巾ほどの範囲の成育が劣る。しかし、養分の循環量が十分増え、収量が慣行の倍程度になる頃には成育差は僅少になる。




 高畝・不耕起・雑草マルチ・雑草混植は、自然農法の典型的(古典的?)技法です。雑草マルチで表面に養分を集中し、乾燥を防ぎ水分を確保、根を表面に集めるわけです。生きた雑草で防風・倒伏防止、虫の目を眩ますこともできます。
最大の長所は、上根のため汚染度の高い下層部をあまり使わず、特に転換初期に大変有効です。そして、多少時間がかかりますが着実に土を良くするのと、スコップ一本で資材や機械が無くてもできる点です。また、見た目も自然に近く、一つひとつは原理的にも理に適っています。

容易に浄化できる表層部で作物を育てながら、同時に下層部を浄化するわけですから、慣行的な肥効作用のある資材の投入や、肥効作用が起きる使い方をして、表層部を汚染することだけは、絶対に慎まなければなりません。実質は施肥栽培になり、慣行農法と同様な各種障害が起きます。
でも、所詮は逃げ。積極的な自然の仕組みの応用とは言い難く、プロには屈辱的と言わざるを得ません。プロは人に食わせて(生かして)何ぼの商売、スコップ一本で自己満足というわけにはいきません。

転換初期は表層の水捌けや通気性などにも留意する必要があります。でも、団粒化が進めば畝立てが必要とは限りません。作業性や作物に合わせた畝立てをすればよいのです。慣行法は施肥の都合にも合わせた畝立てが行われています。本当に必要なのか、慣行法で良いのか見極めることです。
種類

 養分要求度の低いものから始め、次第に要求度の高いものへ。全体の清浄度が低くても何とか育つものから、高い清浄度を要求される物へと進みます。先ずは雑草を育ててみましょう。雑草が育つようなら何でも育つようになります^-^。ただ、清浄度と肥沃度により育つ野菜の種類が決まるため、一般的な有機農法や自然農法とはかなり様子が違います。

先ず最初に、ハクサイができるようになります。写真は転換後2年目のハクサイ、虫食い無し、葉色も濃すぎず薄すぎず(窒素の過不足)、大きさも十分で施肥栽培と比べても遜色なし。植物は、芽と根が出て、葉が茂り、花が咲き、根や茎が太り、実が実り、種子ができます。作りやすい順序は当然、茎葉類、花野菜類、根茎類、果菜類、種実類となります。これが当たり前の自然の順序です。もし、この順序通りでない場合は、どこかが反自然と思って間違いありません。

清浄でも微生物相が極度に貧弱で肥沃度が低く、ワラビやチガヤなどしか生えないような土地は、雑草などで少し肥沃度(養分供給力)を上げるだけで、サツマイモや豆類、イネができます。これらは窒素固定菌と共生関係が強いためです。肥沃度を上げるのは、汚染度を下げるより容易です。

多様な雑草の生える中程度の肥沃度なら、清浄度を上げさえすれば、葉菜、根菜、イモ類はほとんど出来ます。雑草並みのケールからハクサイ(汚染に弱い)などでも、簡単に育つようになります。
大根は少し高目の肥沃度(比較的汚染に強く、低養分に弱い)。カブは更に高い肥沃度・清浄度が要求されます。ニンジンは殆ど雑草^-^。

有機(堆肥)農法や自然猿真似農法ではハクサイ(葉菜類)ができたら一人前と言われます。堆肥はC/N比が低いうえに肥効があり、炭素の相対的不足だけでなく、汚染源にもなっているからです。
また、消極的な自然猿真似農法では、炭素資材を有効活用していません。炭素の絶対的不足から、清浄度、肥沃度とも上がらず、痩せ地でも育つ物(在来種、種子の自家採取)や、葉が傷んでもよいものしか作れないのです。
何れも、二大要因(清浄度、肥沃度)と、それを上げる仕組みを知らず、育たないと思い込んでいるだけのこと。有効炭素量を増やせば清浄度と肥沃度は同時に上がります。

高度汚染地(施肥栽培圃場)を転換した場合は、最初から栽培期間の短い葉物の方が、豆類や根菜類より良くできます。豆類には肥沃度が高過ぎ。根菜類には清浄度が足りないためです。果菜類は収穫期間が長く、より清浄且つ肥沃でなければなりません。実ができても虫(幼虫)が入っていたのでは虫の餌です。
レタスの連作などは栽培期間が短く、栽培適期も長いため、回数を稼げ転換初期に向いた作物です。しかし通常、多種類を栽培しなければならず、屈辱的ではあっても自然農法の古典技?(上根重点の栽培)が参考になります。

でも、虫(害)の方が、菌(害)より簡単になくなります。虫の方が高等生物、繁殖条件が限られる?からのようです。一方、菌害は作物の活力(活きの良さ=健康度)が落ちると出やすくなります。
 虫の方が高等生物
先ず、アオムシやヨトウ虫(蝶や蛾の幼虫)など比較的大型の虫がいなくなる。次に飛来する甲虫類が来なくなり(虫食い痕だけで虫がいない)、ダニなど進化度が低い?虫だけになる。ダニなどが減る頃には菌類(カビ病)も減り、最後まで残るのがバクテリアやウィルス病などである。

そこで、土の浄化の進展具合や養分供給度(循環量)を知る必要があります。作物や土壌の硝酸濃度を調べる以外にも、土の状態を知る目安になり、転換初期でも栽培容易な、指標作物と呼べるものを育ててみます。
指標作物:
ハクサイ: 最も虫が付きやすく、根が深くまで入るため土壌中(深部まで)の無機態窒素(硝酸態)の減少具合を知ることができる。これに虫が付かなくなれば、ほぼ浄化が終わったと考えて良い。
サツマイモ: 汚染地でもそれなりに育つが、痩せ地でも育つ吸肥力が災いし硝酸、腐敗成分、堆肥成分(畜糞臭)などの不味い成分、悪臭成分を吸収・蓄積し、味や臭いが極端に悪くなる。逆にみれば、土の良い香りを満喫するには最適の作物。
ニンジン: サツマイモと同様に清浄度を正確に反映する。養分不足が重なれば野生化(芯が太くなり、スジ、アクがある)。
ダイコン: 肥沃度を知るのに適している。比較的汚染に強いが、養分不足に弱い。養分不足では成長が遅く、すが入ったり、硬くなり煮えが悪くなる。センチュウにより肌(根の表皮)が荒れる。
トウモロコシ: 養分量に敏感で量に比例し草丈が決まる。スイートコーンの実の食害程度で汚染度が分かる。重度汚染なら種実まで食べる。軽~中程度では毛(雌しべ)だけ食べる、汚染がなくなれば全く食べない。

大量施肥のために高度に汚染された土でも、無機態肥効成分を有機化(生物化)することで浄化できます。しかし、もっと厄介な汚染があります。特にプロ(農業者、農学者、農業技師など)に見られる、頭の高度汚染です(笑)。頭のリセットは、土のリセットより、はるかに難しいのです。
ただ、意外なことに肥料、農薬を使いまくったプロの方が一旦気付けば、あっという間に見事な作物を作ります。逆に有機・自然農法(猿真似)経験者は、必ずと言ってよいほど、もたつきます(知識障害?)。


 味を犠牲にした改良種や、殺し目的の遺伝子組み換え種子は論外。在来種の保存は種の多様性からも大切です。でも、栽培だけを考えるなら、在来種にそれほどこだわる必要はありません。
確かに在来種は低肥沃度に適応できます。しかし、市販の改良された種子でも問題なく育ちます。実は改良種でも無施肥の方が生育に適していて、無防除で育つのがその証拠です。

「改良種は化学肥料と農薬を使うように改良されているから自然農法では育たない」というのは間違い。正確には「改良種は養分吸収力(吸肥力)が弱いため、肥沃な土地でなければ育たない」です。
施肥を前提にしているため、養分吸収力は殆ど考慮されず、他の形質を優先した改良がなされています。そのため、高目の肥沃度を必要とし、ある意味、施肥で汚染された土でも、それなりに育つ改良種の方が強い面があります。

慣行栽培では、肥料を使うしか肥沃度を上げる方法を知らないため、農薬が必要になるのであって、農薬を使わなければならないように改良されてはいません。また、自然猿真似農法では、肥沃度を上げることを知らないから育てられないだけのこと「・・・だから育たない」は言い訳。種子のせいにするのは責任転嫁です。

高度に改良されている場合は例外ですが、一時的な環境ストレス(施肥・防除)に対応するための情報は、種子には殆ど保存されず、発芽時には種本来の性質が発現します。しかし、保存が起きた場合は種子の肥毒と呼ばれ、情報汚染です。
また発芽後、一度でも肥料で育てると比較的短期間で、無施肥では育ち難くなります。特に初期環境が大切で、苗から無施肥で育てなければなりません。
 初期環境:
極度の低養分で育苗すると種子によっては一旦、全ての葉が枯れてしまうことがある。だが根まで枯れずに新たな葉を出した苗は無施肥に対する適応力が高まっている。発芽後直ぐ(代謝が盛んな時期)なら、比較的簡単に肥毒を抜くことができると思われる。

生物は環境に適応し進化しました。自然を見ても明らかなように肥沃化すれば、痩せ地に適応した植物から肥沃地に適応した植物へと植生が変化します。普段は常に養分は不足気味、過剰栄養状態は稀だったと考えられます。
そのため不足には適応していても、過剰栄養に対する適応力は殆どありません。容易にメタボリック・シンドロームになってしまうのです。そして肥料たっぷりで、一旦付いた怠け癖(情報汚染)は、なかなかなくなりません。

体組織で繁殖させる、挿し木や株分け、種イモ、イチゴ苗などは、生命情報を一旦、種子という形に収斂し、無駄なものを捨て去ることができません。そのため「情報の浄化」に、それ相応の期間がかかります。無施肥・無防除で種苗の自家採取を三代ほど繰り返す必要があります。
 怠け癖(情報汚染):
特にバナナは深刻である。栽培種は不妊性で地下の塊茎からでる吸芽(脇芽)でしか繁殖できない。20世紀半ばまで広く栽培されていたグロスミッチェル種はフザリウム(パナマ病:カビ病の一種)によりほぼ壊滅した。フザリウム耐性があると言われ現在、世界の全生産量の半分を占めるキャベンディッシュ種も、同病(変異体)により同様の危機にある(10年以内に全滅?との予測)。
ブラジルのバナナ王の話では、25年前植えたものは未だに同病は皆無だが新たに森林を切り開き、きれいな土に植えた新しいものほど被害が酷いという。施肥栽培である限り、確実な対処法はないものと考えられる。

果樹のような永年作物の無施肥栽培への移行が難しいのは、この問題のためと思われます。怠け癖がついた成木は見た目は立派でも、性質(体質)自体が弱って不健康な状態です。完全に枯れないまでも、全ての葉が落ち丸裸になる覚悟でやらなければなりません。
しかし、この原理さえ理解すれば健康な苗が作れます。多少時間はかかりますが古くなった樹の更新をかねて転換すれば良いのです。また、直ぐ更新できない成樹園でも土壌改良はできます。急激な土壌改良はせず、ゆっくり肥効成分を抜きながらバイオマスを徐々に増やす木質系資材の表面施用が適しています。
でも、これはツケの分割払い。完済には数年はかかると思わなければなりません。また、体質改善には断食ほど急激でなくても、同じリスクが伴います。リスクの分散はできますがツケは必ず払わされます。

転換 その後

その後

 まだ土壌物理性(特に通気・透水性)が十分とは言えず、微生物による有機物の処理能力や、肥効成分(主に無機態窒素)の生物化も今ひとつ。土は病み上がり状態で、まだ体力不足です。
有機物処理能力に合わせ、高炭素資材でも少なめに使う。排水に配慮し、好気条件で働く糸状菌を酸欠死させないなど、基本的な対処法が重要です。土の浄化過程で起きる、生育ムラ、虫食いをなくそうと対症療法に頼り過ぎ、基本を忘れないで下さい。
対症療法: 時には必要だが症状を抑えるだけの処置。漢方的農薬(ストチュウ、木酢液など)の散布、EM活性液の土壌注入など、一時しのぎ的な対処法。いわゆる、有機(堆肥)農法の防除技術=施肥・防除農法の技術。
一度は通らなければならない浄化現象(虫食い)


転換後4年経過した家庭菜園。生育不良(餌不足が原因)だからと以前の使い残しの鶏糞をパラパラと・・・。施肥の恐ろしさを思い知らされるワンショット(但し幼虫は全くいない)。


転換後1年のキャベツと、2年のハクサイ(同一農場)。キャベツは、まだ虫食いが目立つ(幼虫は既にいない。ナメクジやカタツムリも消えてしまった)。
基本に忠実に従えば(繰り返しトウモロコシの残滓を鋤込んでいる)2年で、このようなハクサイができる。画像は成育途上のもの、キャベツは中玉、ハクサイは大玉が収穫できた。
 転換初期に必ずといって良いほど起きる現象に、極端な「虫食い」があります。第一関門です。慣行栽培の時より、遙かに酷い食害を受けるのが特徴です。ハクサイなど葉が網目状になり向こうの景色が透けて見えます。もし、この現象が未だ現れていないのであれば、浄化以前の状態であると考えた方が良いでしょう。

この際、注意深く観察して下さい。幼虫(青虫やヨトウ虫など)が全く見られず、飛来する成虫(テントウムシダマシなどの甲虫類)だけによるものなら、土の浄化が順調に進んでいる証拠です。
この現象は土がある程度、きれいになったがまだ不十分。微生物による養分供給量も少し足りないという時に起きます。また一旦、土がきれいになったが養分が足りないからと、肥料(化学肥料、堆肥、畜糞など)を施用した場合にも現れます(写真)。

一見、同じように見える虫食いでも、幼虫がいるようなら、典型的な施肥状態で単なる「施肥障害」。施肥・防除農法(慣行農法、有機堆肥農法)から、いきなり無農薬にした場合などによく見られます。土の浄化が全く行われていません。

土壌中に有り余るほどの無機態窒素があると、肥効成分の吸収抑制作用が見られます。これは過剰吸収を避ける自己防衛機能。生物の生理から考えて当然の機能です。施肥農法で施肥量を増しても効率が落ち、施肥量増に収量増が比例しないことでも明らかです。

ところが肥効成分が減り、微生物からの養分供給も、まだ不十分。このような、養分の絶対量不足の状態になると、少しでも多く吸収しようとします。すると、残っている無機態窒素の分に見合う他の成分がないため、相対的な窒素過剰状態に陥ります。つまり肥料汚染に対する防衛機能減退の結果が、異常な虫食い現象なのです。
肥料汚染に対する防衛機能減退: 養分吸収能力の正常化。減肥状態では施肥効率、家畜なら飼料効率が上がる。ダイエットなら小食で一時体重が減っても、その後カロリー摂取量減少の割には体重が減らない状態。
土壌中の硝酸濃度を計ることで、客観的に知ることができる。施肥栽培における無機態窒素適濃度は10~40mg/100g(乾土)。無施肥で虫も付かず慣行並み(以上)の収量が得られる土や、痩せた土手土では、その1/100前後の、0.2mg/100g程度。この両者の中間状態で起きる。

「硝酸の減少過程=浄化過程」で起きるため、通常は避けることはできません。一~二作は全滅の覚悟が必要です。しかし焦らず、直接の被害のない緑肥栽培に置き換えれば最小限の被害ですみます。基本である、高炭素資材による「無機態窒素の生物化」を継続することが唯一の対処法です。
凸凹まだら現象(生育むら)


転換後2年経過し、順調に硝酸態窒素の生物化が進んでいる。そのため、二種類(手前と奥)のレタスとも病虫害は全くない。しかし、画面の左側が極端に生育不良。
乾期のため一応、潅水用チューブを準備したが今は全く使われていない。乾期には、定植から収穫までに全く降雨が無いこともある。しかし、この状態になれば定植時以外は潅水の必要がなくなる。

虫食いキャベツ(左上部の写真)を収穫。既に外観は商品としては並。しかし、炭素循環農法から見た品質は40点。レタスは上の写真右奥の成育良好部分の物を収穫。大きさはキャベツ並、巻きも堅くズッシリと重い。外観は文句なしだが、質は辛うじて合格点といったところか。あと1年経てば質でも90点以上は確実。
 無施肥に転換し、しばらく(大量施肥圃場や寒冷地で1~2年、自然猿真似農法からの場合や冬のない地域なら0~12ヶ月)すると同一圃場内でも凸凹ムラが目立ち、生育不良(成長が遅い)や病虫害、極端に葉色が薄い・葉が硬い(養分不足)、などの症状が、まだら状に発生することがあります。また、環境変化(降雨や日照、温度変化)に対する反応も一様ではありません。
「これはおかしい、やり方が間違っているのでは・・・」、しかし心配ご無用。まだら現象=回復現象=好転反応です。それなりに順調に土が変わっている証拠で、対処法さえ間違えなければ一過性です。

同一圃場内でも、微妙に土壌条件に差があり、土壌改良は一様に進みません(写真)。この時期は、好条件の所から無機成分の生物化がほぼ完了。しかし土壌の硝酸濃度は、最終状態の数倍~10倍程度(1~2mg/100g)。一応、虫に食われなくなりますが、野菜の質は50%程度の出来。あと一歩で名実共に無施肥状態となります。
無施肥状態: 微生物相が豊かなら生育良好で虫も付かない。貧弱なら生育不良(養分不足)、虫は付かないが果菜類などは持久力がなく菌に冒されやすい。

条件が悪いところは、表面上の無施肥と違い内実は施肥状態のまま(土壌中の硝酸濃度測定で判断できる)。未だに無機態窒素が肥となっています。
施肥状態: 生育不良で虫も付く。生育良好(肥効成分が十分)でも虫が付く。

この時期は無施肥であっても、土壌条件の良否から、実質的には無施肥と施肥が、まだら状に分布しているわけです。この時の「肥」は、転換以前の残留・肥効成分だけでなく、微生物相が貧弱で作物残滓や投入された資材が無機化し、肥効を発現しているとみるのが妥当。
ですから、米糠やボカシなどの無機化しやすい資材を大量に使うのは厳禁。使えば現行の有機農法・自然農法で最も多く見られる状態で、何時まで経っても完全浄化に至りません。米糠やボカシは薬と心得、緑肥混ぜ込み時の微生物活性化に、使い切るだけの極少量(10g/平米)を使うにとどめます。
資材の活用?(今を忘れないで・・・)

 「何々のおかげ」。これを裏返せば「何々のせい」。よく聞きますが何のことはない単なる責任転嫁、責任逃れ。これではお話になりません。また、頭痛に胃腸薬を飲ませたり、熱が下がったのに解熱剤を飲ませ続けるのと、同等な行為をよく見かけます。
そして、そのような者は決まって何々は「効かない。ダメだ」と異口同音に宣うのです。自己中心に物事を捉え、自然農法の基本中の基本「自然が基点」ということを全く理解していない証拠に外なりません。どのような結果であろうとも、特定の「何々」の問題ではなく、自分の行為(思考)の結果です。

時には、断食や投薬、補助食品なども必要です。しかし、回復し始めれば、重湯、おかゆ、普通食へと徐々に戻したり、投薬も止めるのが当たり前。ところが「効いたから」と特定資材(方法)にこだわり、何時までも使い続けて「ああでもない、こうでもない」と悩業?脳業?(笑)。問題を複雑にして、二進も三進もいかなくなっている例が多すぎます。特に効果が高い米糠や微生物資材などで、この罠に嵌ります。

もうこうなると、病的(精神の)。特定資材依存症?とても言ったら良いのでしょうか。「何かを与え作物を作る」これは施肥農法の思考。自然農法ではありません。裏には自己中心から来る依存心、そして不安と恐怖。
そもそも、万能資材などというものはありません。物は使いよう。どのような資材でも使い方次第で良くも悪くも作用し、「場」の状況次第で善にも悪にもなります(院内感染(日和見感染)がその好例)。

土ができ上がれば餌以外、何一つ必要ありません。しかし、転換期の土壌は日々変化して行きます。土(土壌微生物群)に“今”どのような環境を与えれば良いのか、何が必要か。それが作物の明日にとって何を意味するのか、微生物の「立場」、作物の「気持ち」になって考えればよいのです。明日を思えば今が決まります。過去ではありません。
過去ではありません: 「これを使ったら微生物が増える。これは抗酸化物質を作る。」などの結果。未来に必要なものは過去に役に立ったもの(結果)ではない。
人は下僕(微生物飼育係)。自然が主ということを、くれぐれも忘れないようにして下さい。
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土の履歴(堆肥は危険)

 虫食いがなくなればもう大丈夫・・・?。いえ、世の中そんなに甘くはありません。更に不思議なことが・・・。土が確実に良くなっている筈なのに「作物の味が良くならない」「再び虫に食われる」など、致命的にはならない程度の「逆戻り現象」が高頻度に見られます。これも土が良くなった証拠ではありますが少々厄介です。
 逆戻り現象:
硝酸態窒素や汚染物質が僅かに吸収されているため、軽度の虫食いや活力低下時に見られるアブラムシ、ダニ、各種のカビ病などがだらだら続く。似た現象に作物自体が弱ってしまう情報汚染があるが、これは土壌の完全浄化後でも、森林を切り開いた処女地(新開地)でも起きるため、容易に判別できる。

施肥状態では、作物に殆ど使われることがなかった土壌深部(地下、数十cm~3mほど)の高度汚染により現れる現象です。化学肥料、堆肥や腐敗しやすい有機物(畜糞など)の継続的な大量施用(堆積)、腐敗物質の大量投棄の跡地などで起こります。特に長期にわたる、畜糞堆肥・生ごみ堆肥による有機農法は、常にこの危険を孕んでいます。
耕土層(上層部)の浄化が終わり硬盤・腐敗層がある程度消えると、作物は地中深くまで根を張るようになります。その結果、土壌深部まで浸透してしまった汚染物質を吸い上げてしまうのです。

過去の中途半端な自然猿真似農法では、上層部の浄化は比較的簡単にできても、積極的にエネルギー(炭素)を補給し、深部の浄化を行わないため、この現象が現れやすいと考えられます。餌不足でバイオマス(生物量)が十分増えなければ、深部の浄化に長期間を要します。
また、高炭素資材以外のもの(米糠、ボカシ、落ち葉堆肥など)を常用している天然堆肥農法?の場合は、この段階に達していないと思って下さい。悩・脳業も同様です

過去のツケは必ず払わされます。葉野菜中心なら、それを作り続けるだけで特に何もする必要はありません。栽培期間が長い作物(果菜類など)が専門の場合の対処法は、目的の栽培作物より根が垂直に深く入る緑肥作物(トウモロコシは2m以上)などで、汚染物質を吸い上げます。
同時に根に心土を耕させ、その根を枯らし微生物の餌とし、通気性を改善、酸素を供給し汚染物質の分解(生物化)を早めます。この際、緑肥作物(貴重な炭素源)はその場に鋤込み原因成分と共に分解させます。但し重金属などの分解不可能な汚染物質の場合は例外、持ち出して処分して下さい。

そして浄化が終わるまで、汚染物質の吸収・蓄積を避けるため、栽培作物は養分吸収力が強く何でも蓄積しやすい作物(サツマイモなど)や根の深いものを避け、できるだけ根の浅いものを選びます。
耕土層のように、天地返しをして大気に曝せない深層部は、根気よく「分割払いで過去のツケを払う」以外に方法はありません。  

2年目

二年目

 転換初年度は、施肥農法の残存効果でそれなりに(間違って?)採れたりもします(笑)。2年目、前年そこそこの餌も入れたし、土も軟らかくなったようだ。冬野菜も、まあまあの出来。これは幸先良さそうだ。
と思いきや・・・。春、気温が上がり適度な降雨、雑草も良く伸びている。ところが土の様子がどうもおかしい。気温上昇により微生物が活性化している筈なのに、団粒化し始めた土が再び硬く・・・?。

土の前歴により転換後3ヶ月~1年半頃より、浄化の結果がマイナス現象として現れ、その後、土壌硝酸濃度が一定水準を下回るとプラス現象に転じます。変化があれば、何が起きても浄化の現れ。ただ、判断を誤ると前に進めません。
小食・素食

 まだまだ浄化不十分。たとえ酸素の入りやすい表層でも、発酵と腐敗が何時でも置き換わる微妙な状態にあります。確かに微生物の活性化の結果なのですが、餌を入れ過ぎ有機物分解過程が逆転(細菌類優勢=不完全燃焼)したのです。
通気性不良(嫌気状態、心肺機能低下)はその誘因となります。土壌水分が抜けにくい季節では、若い雑草、作物残滓などの低炭素資材鋤込みは、より症状を悪化させます。浄化が不完全な内は、単に餌を与え微生物さえ増えれば良いというものではありません。この際にはEM菌などもマイナスに作用します。

代謝能力、心肺機能の低下した病人に、いきなり普通食はダメ。そして病人食(病気継続食)もダメ。病人食の多くは健康食ではあっても治療食とは限りません。病み上がりの半病人に、美食と過食は厳禁。最小限度量の素食(粗食にあらず)です。
つまり、負担のかからない質と量(低蛋白=低窒素、高糖質=高炭素、低脂質)。生き物は土の化身、原理はヒトも土も同じです。時には偏食も必要なのです。目的と意味が曖昧なまま、土に物を入れたり手を加えると逆効果になりかねません。
対処

 転換初期は有機物の処理能力が低いため、若い雑草などは少し枯らし極表層(5cm以内)に混ぜるか、地表で分解させます。無機態窒素が無くなり、通気性が良くなるまでは、登熟していない物を混ぜてはいけません。植え付けの都合で登熟を待てないのであれば、伸びない内に土に混ぜてしまいます(除草)。

高炭素資材でC/N比を調整する場合は、分解しやすい状態(堆肥化しない程度)まで処理した物を少なめに使います。
土壌の腐敗は主に嫌気性菌による作用。硬化や窒素飢餓が起きそうであれば排水改善(排水溝、高畝、再度の耕起など)による通気性の確保が重要です。中耕なども効果があります。

特に春先の気温上昇期に起きやすい逆転現象ですが、転換初期の内は季節を問わず天候急変や管理ミスなどで起き、浄化が進み循環に滞りがなくなれば起きなくなります。ただ、原理を知らないと何故良くなるのか理解できず、やったことに対する評価もできません。
但し、同じ頃に起きる栄養失調状態との見極めができないと無残なことになります。冬期(乾期)は土壌中の気相が増え、好気性で低温に強い糸状菌が活性化。除草や中耕だけでも、有機物の消耗が起きます。対処法は正反対で餌の大量投与です。
春先の異変

 ほぼ浄化が終わった転換後2年目、あるいは3年目の春先に起きる、大量降雨後の水質汚染(一過性)との見極めも必要です。これは表層部ではなく、中層から深層部で起きる汚染物質の溶出が原因。一時的な水質悪化現象で、土壌中の汚染が少しでもあると多少なりとも起きます。
ある程度まとまった降雨の3日後あたりから始まり、軽度なら虫食い。土壌の汚染度が高ければ病気の発生もあります。大量施肥の慣行農法なら生理(濃度)障害による萎れなどがみられることもあります。低地以外でも起きますが低地の方がより重度です。

この現象は農耕地だけでなく広範な問題です。排水処理が不十分で井戸水を使っている古い養鶏場などでは、卵が腐敗しやすくなり、暑くなる頃までには治まります。単に気候の変わり目と等閑視されがちですが、この時、人や家畜(牛、豚など)は罹病しやすくなります。
また、牧畜・農耕地帯や下水施設の不備な居住地区などでは、井戸水の硝酸濃度が一時的に上がり飲水に適さなくなったりもします。通常(高度汚染でない限り)一過性で、その後数回の大量降雨があれば治まります。ただ、汚染源を無くし浄化しない限り毎年繰り返し、年を追う毎に酷くなります。  
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Author:たんじゅん 
「虫がつく野菜は、人間の食べ物ではない、虫のエサ。人間の食べ物は虫がつかない野菜。虫も野菜も人も、すべてが生き生きとしている。もちろん、お百姓も未来の大人も・・・」。
それが、自然・天然の仕組みと聞いて、びっくり、納得。
人間の側からではない、天然の側からのたんじゅんな農法は、もしかすると、戦争のない平和で豊かな世界の一つの実験、実顕ではなかろうかと、その実践報告を集めている。
連絡先メールアドレス tanjun5s@gmail.com

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