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2010年 全国行脚 総括

     もどきさんの<2010年「先生」を探す旅>
       実践者交流会 全国を巡り歩いて
    ―――自然と新しい方から教えてもらったこと―――
                                  (聴いたことをたんじゅんが編集)
0)はじめに
  ことしの日本の実践者交流会は、4月9日長野・安曇野からはじまり、九州から北海道までまわり、5月30日長野・阿智でおわりました。40か所で開催されました。
 では、今年、どんな話が出たか、ザルですくってお届けします。

1)半年先から観る・周りから観る
・後退した畑が結構ある
  この農法は、転換すると、畑が変わり、作物に成果が早く出てくる。
  ところが、畑を歩いてみて、作物の出来が、転換した年月に比例していない。 
  むしろ後退している。それは人間の側からの見方でやっていることが原因。

・畑はすぐに動かない
  チップなどの炭素資材は、普通の化学肥料や堆肥に比べて、分解が徐々にすすむ。
  だから、今チップをいれても、作物ができる頃にも間に合わない。
  前作に入れたものが、次の作物に効いてくる。
  それを計算に入れて、半年前から、この畑に何を植えるか、収穫するかを描く必要。

・畑を見る前に畑の周りを観る
  高低差、水はけ、周りの畑からの肥料の浸透、畑の前歴を調べる。
  特に、水はけが悪い畑は、空気が土中に入らず、微生物層が妨げられる。
  また、大量の畜糞の投入地は、過去だけでなく、現在も尚更問題になる。

・未来側から考えることを習慣化
  自然の仕組みが基準。人間の考えが基準にしない。先生は、自然。
  自然が答えを用意してくれる。そのためには、今必要なことは何か。
  この農法をやっていけば、その練習になる。
  この農法は、農法といっているけど、農法というものではない。
  あちら側から考える。それを習慣化すること。体に身につけていく。

2)畑の硬さで頭の固さがわかる
・畑はどんどん変わる
  いままでは、過去を基準にしていた。畑はどんどん変わる。だが、頭は過去のまま。その頭が邪魔になる。
  畑の固さをみれば、その畑の方の頭の固さがわかる。
  頭の硬盤層がしたたかだと、畑の硬盤層も変わらない。が本人は自覚ない・・・。

・鬼に金棒、たんじゅんに緑棒
  ホームセンターで支柱用に売られている、長さ1.5m、径1cmの緑の棒が、畑の診断に役に立つ。
  棒を畑に挿してみると、土の団粒化の程度、急速に団粒化する土壌の時間的な変化を簡単に測れる。
  (あまり細いものよりも、1cmぐらいが、ちょうどいい。晴れが続くと入りにくい)
  土壌の養分量と団粒化の程度とは関係ない

・1年目で満足、2・3年目で後退
  大まかにいえば、かなりの畑が、微生物を飼って、土壌改良がすすむと、1年目でうまくいく。
  が、そこで満足し、2・3年目手を抜き、野菜の育ちが悪くなっている。
  それは、安心してエサの投入を控えたか、深く耕起して、炭素資材を下に入れすぎたか、
  あるいは、逆に、炭素資材を載せるだけで、土とかき混ぜていないこと。

3)土壌改良(団粒化)3段階
・道路並み・土手並み・畑並み
  はじめ、数cmしか、棒が入らぬ土、それを「道路並み」という。
  ところが、その土が、土壌改良がすすむと、数十cm入り、「土手並み」になる。
  「土手並み」では、ほぼ慣行農法並みの収量になる。土手は、数十cmの団粒化している。
  土手に植えると慣行法より少し落ちる程度にできるが、作り続けることはできない。
  さらに進むと、1m50cm以上になる。それで「畑並み」といえる。
  その時、収量は、慣行農法の2,3倍になる。

・1年で[土手並み]、丸2年で「畑並み」
  「たんじゅん農法」を、そのとおりやれば・・・。日本のいまの最高は5、60点
  ブラジルで、ただ一人、丸2年で、80点。慣行農法の3倍の収量
  土壌の変化・3段階はエスカレーターではない
  はじめ、土壌が変わり、作物が少しできると、手を抜き、逆戻りする。

・一括払いか、分割払いか
  腐敗を一度に転換しようとすると、それで生計を立てている農家は立ち行かない。
  それには、一作ごとに肥料を半分また半分と減らして行く手もある。分割払い。
  もちろん、一気に肥料を抜いて炭素資材にすれば、1,2年で転換できる。
 
4)自然はモンスター
・一月に1cm入れて土と混ぜて、一月に数cm団粒化
  菌床なら毎月1cm、固いものなら,2、3カ月毎に数cm、数cmの土と和える
  畑を休ませなければ、1年後数十cm、2年後1m50cmぐらい、棒が入るように。
  そのとおりやれば、丸2年で慣行農法の2、3倍の収量を上げられる。
  自然がどれだけの力を持っているかは、常識やいままでの研究ではわからない。

・廃菌床を使うのは、キノコ菌が目的ではない、炭素源
  廃菌床は、キノコはタンパク質なので菌糸が死ぬと腐敗になりやすい。
  廃菌床はすぐに分解、三日で養分化。一度に1cmの厚さ。
  チップはゆっくり分解。炭素量が多い。数cmの厚さ。15cm以上では酸素不足に。
  チップは、荒いものは5cm、細かいものは2,3cm、半年ごとなら十数cm。
  草、葉などの炭素資材の投入時期は、秋の葉が枯れて落ちる状態を目安に。

5)微生物にはエサと空気
・微生物にエサをやることが畑の世話人の仕事
  エサを土と混ぜないとエサにならぬ。土に微生物がいる。
  数cm資材を入れれば、数cmの土と混ぜる。土を起こさないで土と混ぜる。
  収量の上がらない田は、藁も少ないので、秋に畑の一回分のチップを足す

・微生物が増えれば、空気不足で腐敗に
  増えた微生物は、エサ不足ですぐに死なないが、空気不足では、すぐ死ぬ。
  炭素資材だけ増やせば、微生物は空気不足で、死滅し、腐敗になりかねない。
  土が水につかると、土中は空気が絶たれる。微生物は死滅し、腐敗に。
  畝立ては、微生物のためにする。畝立ては微生物の空気の供給に効果的。
  イチゴの栽培を1.2mの高畝にして成功している。(千葉山武・大久保さん)
  炭素資材を入れると、立てた畝が崩れにくくなる。(菌類による団粒化)

・水を切れば微生物が増える
  「水」は要らないが、「水分」は要る。
  水を切れば、根が伸びる。
  土壌に水がないと、空気が供給されやすくなり、微生物は増える。
  「水分」の的確な補給は農家の腕の発揮のしどころ。
  ハウス栽培農家が露地農家よりも、たんじゅん農法の成果を先にあげている。
  ハウスは水を切ることができるので、発酵土壌にしやすいから。露地はあとから。

6)自給自足は理想でなく、甘え
・自然農業症候群
  自給自足は人間の考え。みんながそれをやりだせば、食っていけない人が出る。
  土地が足らなくなり、地球の大半は餓死しかねない。戦争は食糧不足で起きる。
  自然農業を目指す方は、一般に自然に対する甘えが抜けない。自然が何とかしてくれると、ほうりっぱなし。
  5年ぐらいしないと、頭は抜けない。自然農法の方ほど、自然を知らない。思いで自然は動かない。
  自然の仕組みを学ぼうとしない。その通りやろうとしない。いいかげん。
  むしろ自然を知っているのは、科学農法、工業農法をやる方。
 
・自然猿まね農法
  自然のものまねをしても、自然の仕組みはわからぬ。人間の考えを基準にしている。
  一般の自然農法は、自然風慣行農法にすぎない。  
  野菜が育たないのは反自然、自然の仕組みに反することをやっていないか。
  自然農の畑も不耕起ではない。微生物が耕し、虫が起こしている。
  その速度を山の数倍に上げて、「おいしい食料を多くの方」に。それがプロの農家。
  自然の仕組みを基準に置く。それが、自然の側からの農法。それは一つしかない。
  微生物のエサが増えるほど、野菜はおいしく、収量は増える。

7)欲張るほど環境は早く浄化
・欲に二通り
  人間の側からの欲は環境を破壊する。
  しかし自然の側からは、欲張っても収奪がない、争いがない。太陽に奪い合いなし。
  欲張るほど、みんなが<よく>なり、早く環境浄化。
  反自然でなければ自然相手に遠慮は無用。とことんやり抜いて向こう側の世界に

・ムダをはぶくと収量があがる
  畑をあかさず連作すれば、山の数年分の収量を1年であげれる。
  すべて活かす。 例 竹や草を、ウネ間に敷いて土をかけておく
  余りもの、捨てるものを使えば、倍の環境浄化
  畜糞は、堆肥に使う量の3分の1で、チップと混ぜる。少しずつ、微生物のエサに、たびたび入れる。
  時間のムダを省くことが環境浄化を促進
  この農法で、畑の雨水の貯水能力が上がり、河川や海の浄化につながる

・有機信仰による食べもの汚染
  作物への農薬は規制されてきたが、気づいていない汚染で、心身の不健康に
  有機物を入れればいいという「有機信仰」こそ、農薬より問題
  命の代償は命で引き換えるしかない
  長年、畜糞をいれた畑では、しばらくは、作物ができない。
  雑草を引き抜いてみて、その根が白ければ正常だが、茶色だと、不健康な土。
  
8)学術面の協働とやれることはやる
・多面的、流れ的、総合的な研究がこれから必要
  微生物学、栽培学、生理学の学者、会計士、土建業、農家、食味家とともに

・大学でたんじゅん農法の研究が始まる
  ●ブラジル・サンパウロの大学の研究
   たんじゅん農法の微生物量は、2年で、慣行農法の15倍
   継続的に、「炭素循環農法」を研究しはじめる。
  ●茨城大学農学部・成澤准教授の研究
   エサを投入すると、バクテリアは一定で、菌類だけが増える
   エンドファイトと呼ばれる菌類と植物との共生関係が解明されつつある。
   境のない共生で、養分を互いに補い合い、成長促進と免疫の高い効果をあげる。
   農薬の害よりも、有機肥料を使う害がもっと問題であることを、一般に知らない。
  ●東京大学農学部・中田美紀准教授
   「炭素循環農法」の圃場を使って研究をはじめる。

・自らやれることはやる
  妄想学、脳(ミソ)学はやらない。はっきりした答え・基準から観ていく。
  専門家にまかせっきりにしないで、やれることからやっていく
  畑の状態、作物の味、測定値との関連は、自分で確かめる
  測定は、硝酸値(試験紙)と糖度(糖度計)の二つが参考になる。
   例 茨城・神栖の遠藤弘さんのピーマン。
     昨年よりも、畑は全体的にそろってきて病気もほとんどない。
     収量もあがる。味もとてもいい。
     炭素資材を昨年の2倍にした。水を切らしながら、必要なときは十分やる。
     それを硝酸試験紙でしらべてみた。
       今年6月の硝酸値(ppm)は、果柄部 100、中央部 25、先端部 50
       昨年は500ppm。(病気もあり、不揃いがあった)。
     糖度も念のため測ってみたところ、糖度 5。

9)問いであって、答えでない
・話したことは答えではない 
  実践者交流会で話したことは、聴いた方にとっては、答えではない。問い。
  自ら実践してみて、答えがわかる。新しい方が先生。古い方は生徒。

・農家よりも家庭菜園家が早い成果
  何も知らないから、そのとおりやる。その通りやれば、必ず成果が出る。
  伝えた方よりも、新しい方が先に進む。

・先生を間違っていた
  この農法を早くから実践して農園で学んでいる若い方が交流会で気がついた。
  「先生を間違っていた。いつの間にか、古い方を先生にしてしまっていた」。
  それでは、どちらも、進歩がなくなる。(知識は過去。過去は先生ではない)
  本当の先生は、未来側に。自然。まだ知らない方。
  その落とし穴に落ち込まないためには、常に新しい方を探して、伝えること。
  新しい方に知らせることで、未来側から学んでいける。
   
・周りとも自分ともこだわらず仲良く
  周りの人たちと仲良くやっていく。
  好きなことをやる。こだわらず、逆転の発想で、なんでもOK
  病気になったら、薬も必要。断食も効果がある。畑の微生物も、作物も同じ。
  ただし、病気が治っても、まだ、それを続けるのは、こだわり。
  環境が整備されれば、微生物も、作物も、元気、元気!

10)これから
・おいしい見本
  おいしい見本がなかったので、比べようがなかったが、
  これからはあちこちで出てくる。
  味のよしあしは、ヨーグルトと混ぜて、食べると、分かりやすい。 

・チップの供給ルート
  木質系資材が炭素資材としては適している。
  枝葉のついているものは、新しい物(要発酵)でも、どんなに古い物(そのまま使用)でも最適な高炭素資材。
  粗めで篩を通さない物が最適。
  あちこちに、まだ点在している程度だけど、日本にはいろいろある。
  産廃として扱ったり、販売するとややこしくなるが、タダで個人に直接渡すのはOK。
  そういった情報のセンターがこれからいる。

・なりわい的と企業的
  たんじゅん農法は、それを生業にする方と、企業としてやっていく方と、二つに。
  それぞれ、情報交換しあう場ができてくる。

・どんな売り方をするか
  作物がこれから、来年にかけて、どんどんできてくるようになる。
  そのためには、それをどんな売り方をするか、今から描いていく。
  たんじゅん農法で育った、健康な作物を専門に扱う業者が出てくる。
  すでに、新たな「売り手」が、まだ売るものがないが、今年の交流会を開いている。
  その方たちは、この農法を知らせるために、実顕農園を作り、農業塾を始めた。 
   
・やりたいことをやる
  未来側からやっていけば、それぞれが、やりたいことをやって、
  しかも、全体として流れができていく。みんなが喜ぶ社会ができていく。
  すべての者、モノが、役に立ち、活かされる、平和で健康な社会に。

誤解と九階・十階  もどきさんを<先生>と呼ぶ方がいます。ご冗談でしょう!!
   先生は、未来側にいる。自然・天然が先生、新人、まだ生まれていない方が先生。

    ここに書いたものは、読まれる方にとっては、答えではなく、問いです。
   答えは、実践すれば、自然が未来側、あちら側から出してくれます。

               もどきさん、日本を立ちブラジルへ三月ぶりに戻る日に ( 2010.6.17 )
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総合解説

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目次
◎ 「炭素循環農法」講座
①  津島市の会での林さんの話の要点      稲垣 正貴   09.4.3
②  仙台での林さんの話            小林 康雄   09.4.25
ーーーーーーーーーーーーー

◎ 「炭素循環農法」講座
 
 「炭素循環農法」の理論と実際を、いろいろな角度から、総合的に解説したホームページ。
 「炭素循環農法」講座 http://page.freett.com/tenuki/

 人間の側、過去の側からではなく、自然の側、未来側から導かれた、科学としての自然農法の真髄を解き明かしています。

 「炭素循環農法」を実践・検証しようとする方、あるいは、すでに実践している方がが、繰り返し読めば、新たな発見ができるでしょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① 津島市の会での林さんの話の要点     稲垣 正貴      09.4.3

有機物の年間施用量は100トン/ha

・有機物の施用で土が黒くなってはいけない
 有機物を入れて土が黒くなるのは分解がきちんとされていないからである。

・虫が食うのは肥料が効いているため
 深いところの浄化が不十分だと生育後期で急に虫にやられたりする。

(根が深くに伸びると深いところにある肥を吸い上げるため)
平地は傾斜地にくらべて浄化に時間がかかる。

有機物は土に触れないと土は良くならない


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仙台 講演

② 仙台での林さんの話             小林 康雄

講師:林 幸美氏(ブラジル在住のキノコ栽培農家)25歳でブラジル移住。

日時:平成21年4月25日(土)9:30~12:00  場所:沖野市民センター

<基本は仕組みを知る>

野菜、米は一切作らない。土の作り方、生き物を生かす仕組みを知って貰いたい。

プロの人は、如何に苦労せずに、かつ一生懸命やらないかを考えること。

努力するということは、どれだけ自然に逆らったかに他ならない。自然の仕組み従った時

楽しく作物が採れる。

<美味しいとは?>

土を良くする(土の中をキレイにする)、汚れを取る、肥料分(堆肥)を土の中から失くすこと。

腐敗成分を土の中からどうやって取るか?これを取ると野菜のまずさが無くなる。

硝酸態の窒素はアク、苦味のもと。農薬の味=味がある。農薬を使った人が分る味である。

不味い成分を無くしただけでは、味がない野菜になってしまう。大きくならないし、表皮が硬くなっている。

美味しさの成分:

①糖分(葉ででん粉ができる。光合成。移動するために糖分に変え甘くなる。寒いほど甘くなる)

②発酵成分(有機物は糖分=多糖体持っている)野菜は美味しい成分を吸い上げる。

①と②が揃って人が食べて美味しい物になる。

虫は腐り易い物を食べる。人の食べる物を虫が食べると死ぬ。人と虫が競合することはない。だから虫には食べたいものを食べさせておけば良い。

<美味しさは一番不味い時に確認>

熟していない野菜、果樹等、青いものを食べて比較すると美味しさの違いが分る。

米の美味しさを確認するには、米の食感(香り、歯ごたえ)を無視して味を見れば良い。即ち炊いたご飯をミキサーにかけて、それが美味しかったら本物である。

野菜は冷蔵庫に入れて、腐る直前のものを食べてみる。ケイフンを使えばケイフンの味が、牛フンだったら牛フンの味がする。

良い野菜は1ヶ月置いておいても美味しい。土が良くなること!

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たんじゅん農の非常識の常識

参考資料1
________________________________________
「たんじゅん農法」非常識な常識 
            9*3
― 自然の側から観る「自然農法」 ―

Ⅰ 自然農法の基本

1) 自然の側から観たものが「自然農法」
 「炭素循環農法」(「たんじゅん農法」と略称)は、科学的な意味での「自然農法」。人間の側(天動説)からでない、自然の側から(地動説)の農法をいう。
一般的に言われている<自然農法>は、人間の側からの見方・考えが入っているので、いろいろ提唱した人間の名の数だけある。
 しかし、本来「自然農法」は、向こう(大元)からだから、一つしかない。それは、科学であり、「単純、明快、矛盾なし」。
2) 不自然であってもいい、反自然であってはならない
 自然とは、すべてが生き生きと活かされてある状態。作物の成育が悪いとか、虫の着くのを人間が我慢するとか、それは反自然。
 一般的な<自然農法>のほとんどは、自然な姿を求め、反自然になっている。
畑は不自然、農機具も不自然。だが、虫も機械も、化学資材さえも、すべてが活かされ、生き生きとしているのが自然。
3) 地球全員が食れる、生産性の高い農業が自然農業。
 一部の人しか、食べれない、生産性の低い農業は、自然農業ではない。たくさん取れて、ほどほど儲けて、みんなが豊かに食べられてこそ、自然農業。                      
 自然農業というなら、そんな農業をやっていく覚悟がいる。
 農をやる人も、食べる人も、みんなが、生き生きとする農業。

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『現代農業』09年10月号

参考資料2
________________________________________
           炭素循環農法
( 月刊雑誌『現代農業』農文協2009年10月号より抜粋)      城 雄二
 肥料分はいっさい入れず、廃菌床やチップや半生の草など炭素率(C/N比)の高いものをひたすら大量に投入していくだけで、慣行農法の2倍の収量を上げられる――。そんなブラジル発の「炭素循環農法」(2004年10月号以来たびたび紹介)に取り組む人が、ジワジワ増えてきている。 日本で実践者のネットワークを作ろうとしている城雄二さんに、その実践談と見えてきた課題を紹介いただく。 (編集部)

粘土質の畑が4カ月でホカホカに
 無農薬有機でやってきて10年。粘土質の茶畑と田んぼを3年前に借りて畑にしてみたが、ご近所の忠告どおり、タマネギもニンジンもダイコンもうまくできない。
 ところが、今年3月に知った農法に変えて4カ月。土がホカホカに変わってきた。
 使った資材は、キノコの菌床や木材チップ・せん定の枝葉・草。すべて生。それらを畑に敷いて、表面を5cmかき混ぜただけなのに、大変化。
 ジャガイモの土寄せがラクになった。ダイコンを春に播くといつも虫にやられるが、今年はそれがなく、小学生の「足」くらいになった。春に播いたハクサイは、アオムシがつかず、冬よりも立派に育った。ヤマイモも、例年夏には葉が虫のエサになるが、今年は葉が茂る。エンドウを比較実験したら、有機肥料のほうはハモグリで葉が黄変したが、新農法では元気で、たくさん収穫できた。一面に生えていたジシバリが腰を浮かせ、たやすく抜ける。草の種類も変わってきた…。
 この農法は「炭素循環農法」(愛称「たんじゅん農法」)という。じつは昔から一部の篤農家がやってきた農法。ただ原理がわからなくて、誰でもマネできなかった。それを、林幸美さん(インターネットで「炭素循環農法 百姓モドキの有機農法講座」を開設。ブラジル在住)が自然の側から整理し、マネのできるものにした(その講座の引用は『 』で示す)。

「発酵型」の畑なら、虫がつかない、収量があがる、おいしくなる…
『虫がつく作物は虫のエサで、人間の食べものではない。虫は腐敗を好む。化学肥料や堆肥を入れれば腐敗層ができ、「腐敗型」の微生物やミミズが増える。味はまずくなり、土は固くなる…』
 エー、堆肥を入れるほど腐敗型になって土が固くなる? 常識とは違う。でも確かに、畑はその通り!?
 『一般に自然農法といっているものも、たいていは人間の考え(耕さない、草を取らない)に縛られている。マネしてもうまくいかない。だから(人が)頑張る。頑張らなければならないのは、自然の法則に逆らっている証拠。
 不自然はいいが、反自然はまちがい。自然の側から、自然の知恵、法則に任せていけば、土は「腐敗型」から「発酵型」への転換が進み、万事うまくいく。それが自然の仕組み』
「腐敗型」と「発酵型」の違いは、腐敗菌が主か、発酵菌が主かの違い。酸素が不足し、炭素に対してチッソが多くなると腐敗型の土になる。化学肥料や堆肥を入れている一般の畑ではチッソが多く、酸素不足の土中では腐敗はまぬがれないという。
 『いま日本では腐敗型の土が一般的であるが、発酵型に転換すればうまくいく。転換後ふつう2~3年かかる。すると作物がおいしく、虫がつかなく、収量が普通以上になり、資材代も安くなる。連作できる。いや、マメ以外は、連作するほうがいい。収穫したらすぐ次を植える。これは大規模農家でも家庭菜園でもプランターでも可能な、生産性の高い手抜き農法である。世界中の人が食べていける農業が、〈自然〉農業』
 そんなうまい話があるものだろうか? 誰でも、どこでもやれる実践法なのか? それは、やって確かめるしかない。実践している方を長野・神奈川・愛知と訪ねてみた。納得、納得。

ポイント(1) 肥料をやめる
チッソは腐敗菌を増やす
 この農法の第一のポイントは、肥料をやめることだという。
 『人間の食べものは、発酵型の土から育つ。山の土は発酵型。山にミミズはまれ。
 畑を発酵型にするには、作物には肥料という考えをやめること。人間の食べものに肥料は不要。むしろ、害になる』
 なぜか。チッソを肥料とする農学に基づいた農業では、化学肥料も堆肥も欠かせない。しかしそれが炭素に対するチッソ比を高め、腐敗菌の住み家を提供し、まずい野菜、人間の食べものではなく病気や虫の好む野菜を育てた。それは、「作物を育てるのは肥料」という考えがはまった迷路なのである。

ポイント(2) 炭素の「卸商」を飼う
生の炭素資材をジワジワ分解常に余分な肥料がない
 では、どうするのか。要は、いつも土中に肥料がない状態が理想。肥料を与えるのが人の役とする迷信をやめて、発酵型の微生物の住む環境を用意する役に「頭」を転換すること。つまり第2のポイントは、野菜育ては微生物に任せ、農家は発酵を助ける微生物を飼う役に専念する。そのためには…
 『チッソに対する炭素を増やすことがポイント(C/N比40が目安)。世界の人口を養うための畑の炭素量は、野菜の光合成だけでは足らない。それでこの農法では、畑に炭素資材を「山」の数倍も、堆肥にしないで生で供給する』
 生で腐りにくい有機質はC/N比が40以上と高い。腐りやすいものはC/N比が低く、10程度。
 炭素資材が野菜の根に届くまでには、炭素の「卸商」と「小売商」の2種類の微生物が働く。炭素の「卸商」は、糸状菌などの菌類。「小売商」は、バクテリアなどの細菌類。
 「卸商」は、枯葉などの炭素資材を中間物質に分解し、粘っこいものを出して包み、一時保管する。それが土の「団粒化」。空気が入り、水はけもよく、発酵型の畑になる。
 いっぽう「小売商」は、「卸商」が用意した中間物質などを完全に分解して、最後は無機質にするのが役割である。世にあるものを生命のピラミッドの底辺に戻す浄化の役割をしている。もちろん、「卸商」も、「小売商」によって最終的に消される。
 C/N比の低い堆肥などを入れる一般の畑では、「小売商」はいるが、「卸商」はほとんどいない。これが腐敗型。作物は、富栄養化した環境で病気がちになり、虫がつく。味も腐敗型で、生産性も上がらない。耕しても、雨が降るとすぐに土が硬くなる。
 それに対してこの農法では、「卸商」が炭素資材から作った団粒化した「中間物質倉庫」から、「小売商」が炭素を少しずつ取り出し、せっせと分解して養分をつくる。それをすぐに植物の根が吸収していく。だから土中には余分な肥料がない。作物は、小売商におんぶにだっこのその日暮らし。
 つまり農家の仕事は、「卸商」となる微生物の飼育。生の炭素資材を与えて、炭素の「卸商」を飼い続けること。木やせん定枝のチップ・草・生の野菜…。種類も量も、腐敗しないなら、なんでも、いくらでも入れていいという。

年間で反当 10tの炭素資材―入れるたびに数cmかき混ぜるといい
 そこで、この春から合計2反の田畑でこの農法の検証を始めた。畑には肥料も堆肥も入れない。「卸商」である糸状菌は、畑にもいる。それにエサとして、チップや草や葉、キノコの廃菌床など、堆肥にしないで生のまま1,2cm撒いて、5cmぐらいの表土と和える。(ただし、チップは、数か月山に積んで、発酵が始まり、匂い成分が抜けてから、使う)。
 供給量のポイントは、入れたものが腐らない程度。資材を2カ月おきぐらいに入れ続ける。おいしい作物をたくさんとるには、年間で炭素資材を10a当たり10t入れるのが目安。平均すると、毎月、厚さ1cm炭素資材を入れる。
 すると、土中の糸状菌によって、炭素資材は徐々に分解され、数カ月でフカフカの土になった。土は富栄養化していないので虫もいなく、徐々に発酵型の野菜ができつつある。
 作物の世話は、人間よりも微生物のほうが上手。人間がするのは大きなお世話! 農業の常識とは違うが、直感では、そのほうがホントの気がする。実際、徐々に成果が出てきている。まだ、これからだが…楽しみ。
 
埋もれた炭素資材を活かしたい
「たんじゅん農法」は、長い方でもまだ数年。ほとんどは最近始めた方。でもこういう時代だから、この農法の原理や方法に関心は高まっている。今年も春にブラジルから林さんが帰られ、2カ月間、日本全国20カ所の圃場を手弁当で回られた際、新しい方たちと活発に意見交換がなされた。
 ネットのmixi(炭素循環農法)でも、情報を交換しあっている。
 今後の一番の課題は、慣行農法の2倍の収量を得るには炭素資材が供給不足であること。日本は資材が豊富だが、埋もれている。茶葉・モミガラ・廃材・竹なども活かしたい。
 もう一つは、キノコの廃菌床が手に入りにくいこと。それでチップと草、それに1m2あたりスプーン3杯の米ヌカで手作りする(雨の当たらないところで、山に積んで2~3カ月放置する、あるいは畑に直接撒いて徐々にチップが発酵するのを待つ)手もある。
 まだ実践者が少ないので、お互いに情報交換をしあって交流を深め、資材を地域で手に入れやすくする知恵や仕組みを作っていくことも課題である。そうすることで、農業を目指す、あるいは目指したい若い方たちに、高い生産性をあげ、家族が楽しく生活できる農法であるかどうか、農の復活に向けて、示していきたい。       

参考;原理・考え方は、ホームページ『炭素循環農法』http://page.freett.com/tenuki/
実践情報は、ホームページ『たんじゅん農法の広場』http://tanjunnou.blog65.fc2.com/

連絡先 城 雄二 メール;tanjun5s@gmail.com (静岡県掛川市上西郷7043)
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「虫がつく野菜は、人間の食べ物ではない、虫のエサ。人間の食べ物は虫がつかない野菜。虫も野菜も人も、すべてが生き生きとしている。もちろん、お百姓も未来の大人も・・・」。
それが、自然・天然の仕組みと聞いて、びっくり、納得。
人間の側からではない、天然の側からのたんじゅんな農法は、もしかすると、戦争のない平和で豊かな世界の一つの実験、実顕ではなかろうかと、その実践報告を集めている。
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