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10月7日 炭素源 研究会 報告と感想

炭素源 研究会 報告  2010年10月7日

初めての研究会が、静岡・掛川で開かれました。
ちょうど、東名集中工事の日で、神奈川から、愛知から、車で3倍も、それ以上もかかっての行き帰り。
それでも、楽しかった、またやりたいという研究会だったようです。
参加者 神奈川 2名、愛知 1名、静岡 7名
研究会の概要をお知らせします。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
一言でいえば、「炭素源」分科会でした。
そのなかで、いくつかの事実・課題が整理されました。

Ⅰ 炭素源の確保
1) たんじゅん農法(土壌の微生物相を豊かにする)にとっては、常時、安定的に、炭素源を、それぞれの地で確保することが大事。
2) 炭素源として、廃菌床のみ、あるいは、それと木材チップ、剪定枝との混用例が、多い。
3) 木材チップのみを資材にしての実践例は、数が少ない。
4) 日本とブラジルの実践例で、安定した栽培実績をあげているものは、廃菌床を炭素源にしている。
5) たんじゅん農法は、廃菌床農法ではないかと、考える方も出てきている。

Ⅱ 廃菌床の利用
1) 廃菌床は、キノコ菌と炭素源が含まれているため、たんじゅん農法の環境づくりが容易なことが、実績を上げやすい。
2) 地域的にみても、長期的にみても、廃菌床を炭素源とすることは、だれしも可能ではない。
3) 全国的にみれば、いまでも、廃菌床の供給できる範囲と量は限られている。需給関係は逼迫してきている。
4) 廃菌床は、手に入れると、すぐに畑に散布しないと、腐敗になり易いなどの問題から、チップなど、他の炭素源を用いている方もいる。

Ⅲ 剪定枝チップ/木材チップの利用
1) 剪定枝や木材のチップは、日本では、もっとも、炭素源として、安定して、いつでも、どこでも、持続的に供給可能な範囲と量が確保できるものであろう。
2) しかし、チップの、たんじゅん農法への利用法は、まだ確立していない。チップだけを炭素源に用いる実践例は、まだ報告例が少なく、また、作物に生育障害が発生するケースもあり、廃菌床利用の場合に比べると、まだ安定した栽培実績を上げるには至っていないのが現状である。

 今回の研究会では、以下3事例の報告があった。

【①愛知 稲垣】
4) 昨春までは、チップライト(剪定枝チップとヌカなどを混ぜて発酵処理)を使って、ネギやサトイモなど、よい栽培実績をあげることができた。
 (但し、ネギの葉先の枯れなど、若干の養分不足はあった。また、大量にチップライトを用意することには労力がかかる)
5) 昨春以降は、生チップ施用に切替え、投入量も増やした(年間2t/反→5t/反)。
   ・ 剪定枝チップの生を、半月以上放置して、熱が出てから、畑にトラクターで浅く鋤き込んでいる。
   ・ チップのみ、反あたり1トン前後、2,3月ごとに施用。
6) 以後、今年にかけて様々な生育障害が発生(生チップ投入は継続)。
   ・ 直播の種は発芽はするが、本葉が出るまでに生育が止まって、殆どが枯れる(タマネギ、ネギ、ダイコン、ニンジン)
   ・ 苗を定植した場合も、活着後に同様の生育不良を起こす(タマネギ、ネギ)
   ・ 枯れた苗を抜くと、根が傷んでいる
(今までやってきた野菜が育たない。それで、どんなものが、困難な生育環境でも、育ちうるか、今までやったことのない野菜の種をそろえて、いろいろ試験した。そのおかげで、思わぬ勉強になった。)
7) 今春以降はチップ投入を止め、土中通気対策として高畝化など実施。
  (チップ以外の炭素源も半年以上供給停止)
   ・ 今秋、ニンジンなどが正常に育つように回復
8) 生チップが土中分解の途上で、何か悪さをするのではないか?
   ・ なんらかの植物への障害となるものを出している可能性も考えられる。
  ・ 今年の夏の高温による生育障害は他の農法でもみられ、たんじゅん農法(チップの施用)が原因ではないのでは?
   ・ 土壌微生物の消化能力を超えた多投入も考えられる(微生物相の発達度合いに応じた上限があるだろう)
   ・ チップライトのような”活性化/菌床化=キノコ菌が食べやすい状態にする前処理”が有効ではないか。  
   との意見もあった。

【②神奈川 山本】
9) 今年、限界集落の放棄梅林を畑にし、初回は伐採樹木の生チップと廃菌床(2t/反)、以後は草と灌木等をチップ化して2、3カ月に一回程度補充。あとはその都度ごく少量の米糠施用で、栽培をはじめた。今のところ順調な結果。
   ・ 当初明らかに養分不足と観じられたナスが実り始めたのは、「初回の炭素資材投入から半年経過後」
    (炭素資材投入から、作物が吸収できる養分化までには土壌環境相応のタイムラグがある)
   ・ 初回の生チップは梅、杉、槇。廃菌床はマイタケ(尚、廃菌床投入は、この初回のみ)
   ・ 開墾した畑は、周囲を雑木林や竹林に囲まれた里山環境にあり、また、放置梅林ゆえに「土壌の清浄度や潜在的な微生物相の発達度合いは高い」と思われる。
   ・ また、山間地のため終日の日照には恵まれない環境も、菌類の生育には好条件となっているかもしれない。
10) 本件、経過報告の詳細はmixi のトピックを参照。
    http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=56424997&comment_count=54&comm_id=4166693

【③静岡 堀】
11) この春から、施用する炭素資材を「廃菌床からチップに換えた」。
 ・ 大面積を1名でやるには、チップの方が、放置していても腐敗せず、取り扱いが簡単だから。
 ・ チップには、その時々に、周りから処分を頼まれる、乾燥した草、茶がら、ヌカなどを、ユンボで混ぜたものを、半月から、1,2カ月後に用いている。
 ・ いまのところ、そのチップによる生育障害は、種についても、苗についても、みられない。

12) チップの施用については、少なくとも、この2年間の試行実践で、まだ発展途上。
   今後も取り組みを継続しつつ、自然からの解答を待つ必要がある。

Ⅳ その他
夏の高温、乳苗稲作(SRI)などの話が出たが、炭素源関係のみ
・ たんじゅん農法をやっていると、ある時期、カブトムシの幼虫、コガネムシの幼虫が増える。
この状態は、腐敗なのか、発酵なのか。
カブトムシの方は、発酵で、コガネムシの方は、腐敗。という考えがでた。
これについて、情報があれば、求めたい。
・ 今年は、イノシシなどの獣害がひどい。
とくに、たんじゅん農法の畑が、周りの畑に比べて、ねらわれているようだ。
それは、カブトムシの幼虫、コガネムシの幼虫などを探してか、
あるいは、作物そのものを狙ってではないか、という意見が出た。
これは、事実か。これについて、対策は?(ネットなどの柵を周りに作っている)
それについて、情報を求めたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは、すべて、問いです。答えは、これからもらえます。
どんな答えがもらえるか、楽しみです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

*補足
 
(稲垣さんが山本さんにあてた、mixiの文を転載)

会の後にお話しした時の高炭素資材の分解の過程を薪への着火にたとえた理解の仕方、とても分かりやすくなるほどと思いました。

低炭素資材(C/N比が40より小さい)は燃料でいえば「紙」のような燃えやすいもので、すぐに火が付くがぱっと燃えて無くなる。
高炭素資材は同じくたとえると「薪」のようなもので、着火に工夫がいるが一旦火が付けば比較的長時間安定した火力が得られる。

とここまできて廃菌床は何だろうかと考えましたが、「木炭」とたとえるのが妥当でしょうか。
着火も薪に比べ容易ですし、着火直後から薪以上に火力も安定します。

そしてこの考え方をさらに進めてみると薪の場合、着火直後は煙が出て目鼻を刺激する刺激物が出ますし、こういったものが出ている間は火力も安定しませんがこれって、生や半生の剪定チップを畑に入れた状態と似ているのではないかと思いました。
(このトピックで紹介していただいた僕の畑の事例でいいますと、薪の着火直後の煙の出ている状態が今年の春の僕の畑で、火力が安定した状態が今の畑という具合に)

薪と木炭、生の高炭素資材と菌床、この両者の特性の違いをそのまま結びつけてとらえるのが適当なのかどうかは分かりませんが、こういった視点を持つことで僕としては生の高炭素資材を使いこなすヒントが得られる気がしてますので、今後しばらくこの視点で観察をしていきたいと思います。


あとがき

はじめての研究会でしたが、それぞれが、探しているものが、
自然・天然の側から、観直す、いい機会になったのではないでしょうか。

なかなか、それぞれがやっていると、
自己の側からやっていることに気づかず、
うまくいかない原因が、自己のアタマにあることに気づかないものです。

それを、みんなで寄り、それも、いろいろな方が参加することで、
あちら側から観ることが、どんなことか、少しでも味わえるのではないでしょうか。
あちら側から観ると、寸分の狂いも、間違いもない、事実が起きているだけで、
その自然の結果(意思)が、人間の思いと<差>があることから、
人間(自己)の新たな思い、方策、対策、行動、発見、発明が生まれる。

人間の思いと、自然の側の意思の<差>は、人間(自己)の改革、進歩ための、エサ。
人間の思いを、自然の意思に、合わせて行く。
人間の思いと、自然の側の意思の<一致>をめざして、研究・実践の進歩がある。


研究会の感想(以下 クリック 続く)

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たんじゅん 

Author:たんじゅん 
「虫がつく野菜は、人間の食べ物ではない、虫のエサ。人間の食べ物は虫がつかない野菜。虫も野菜も人も、すべてが生き生きとしている。もちろん、お百姓も未来の大人も・・・」。
それが、自然・天然の仕組みと聞いて、びっくり、納得。
人間の側からではない、天然の側からのたんじゅんな農法は、もしかすると、戦争のない平和で豊かな世界の一つの実験、実顕ではなかろうかと、その実践報告を集めている。
連絡先メールアドレス tanjun5s@gmail.com

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