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炭素資材と菌床の使い方 Q&A

炭素資材と廃菌床の使い方・・・中田美紀さんの質問から

中田美紀さん(東京大学大学院 農学生命科学研究科 附属農場)は、何度か、実践交流会に参加されていて、「炭素循環農法」について、科学的な裏付けとなるデータを集めたいとされています。実際に、研究もはじめておられます。
その際、炭素資材について、いくつかの質問を出されたので、HPの裏方として、以下のように説明しました。
また、それについて、愛知の稲垣正貴さんにコメントをお願いしました。それも、適宜挿入してあります。。

ただし、このQ&Aは、最後の注釈にもありますように、一つの考えであって、正解というわけではありません。これらをすべて正しいとしないで、実践し、検証し、議論を深めていただきたいとします。

そのためにも、このQ&Aを公開し、皆さんのご意見も募ります。補足意見、疑問、反論、なんでも、お寄せくださいませ。( 送り先 moji111@sky.tnc.ne.jp)

<炭素資材の種類>
1) 広葉樹か針葉樹かはあまり気にせずに使っているか?
はい、そうです。問題は、感じません。タネを蒔く時ぐらいは、針葉樹の場合、新しいチップだと、問題があるかもしれませんが。その場合は、2週間ぐらいおいてから使う方がいい。それ以外は問題はないでしょう。
2) 剪定枝でなく、間伐材ではどうか。
もちろん、OK。ただ、欲を言えば、単一の木よりも、いろいろな種類の木が混じるとか、葉が混じるとかする方が、菌層が豊かになるかも。
*稲垣さんのコメント
   炭素資材として針葉樹や間伐材(木の幹部分)を使う場合、生育阻害物質(樹脂・テルペン・フェノールなど)を抜くという作業がないようです。この作業としては短期高温発酵(60℃程度を1週間~10日程度)をします。
3) 廃材のように乾燥したものでも大丈夫か
餌としては、乾燥していても、大丈夫。ただ、その場合は、糸状菌がすでに、土壌にあり、土壌が微生物で満ちていて、団粒化している時。建設廃材ならば、プラスチック、接着剤などがあまり多くないことが望ましい。
間伐材や廃材の場合、気を付けないと、発酵を促すために、食品残さや動物糞を混合させている場合がある。これは、チッソ成分が多く、腐敗を招くので、避ける必要がある。できるだけ、素材のまま、しかも、生がいい。
*稲垣さんのコメント
廃材のような乾燥したものでも生育阻害物質が抜けていれば、水分を与えればキノコ菌がとりつくようです。
窒素源を与えて炭素比を調節すれば菌の回りが早いようですが、最低限水分さえあれば分解速度はゆっくりかもしれませんがキノコ菌による分解は行われるような印象を受けています。
4) 剪定枝はどのくらいの大きさのものが良いか。一次破砕と二次破砕のものどちらがよいか。厚さ1cm以下がよいとまーぼうさんが書いていたが、二次破砕が2cmφとすると、二次破砕でも大きいということか。
1次破砕を使っているが、土ができてくれば、問題なく、糸状菌がはびこる。そのなかには、厚さ1cm以上のものが混じっているが、その割合は少ない。むしろ、それが適当に混じっていることで、隙間が多くなり、却っていいのではとしている。
大きいと、分解速度が遅くなる。厚さのあるものが、どの程度混じっているかによるが、それが、バラバラとまじている程度なら、いいのでは。
*稲垣さんのコメント
剪定チップの大きさは養分化(菌床化)するまでの時間と関係あるように思います。
細かくして表面積が大きくなれば菌類による分解が速やかに行われ、逆であれば菌が回るまで時間がかかるでのはないかと。
ただし、菌が回りきってしまえば廃菌床と同じでチップの大きさは関係なく分解速度は同じになる印象です。
11月に土に混ぜ込んだ粗めのチップ(樹皮ではなく木質部分が主体・長さ1~2センチ・厚さ5ミリ程度)が翌年2月には完全に菌床化してボロボロになります。
5) 廃材を使う場合、どのくらいの大きさがよいか。乾燥し過ぎていて、大きいと良くないのでは?おがくずは細かすぎて酸素不足になるという話があったが。
大きいと、分解が遅い。1次破砕程度なら問題はないのでは。廃材単独か、それとも、他に、剪定チップや菌床が使われているのかが、分解速度に関係しよう。廃材ばかりだと、菌層が偏るのでは?

<廃菌床や炭素資材の施用量、施用方法>
6) 廃菌床を厚さ10cm、炭素資材を10a当たり1t撒くという話を聞いた。この場合廃菌床の施用量は、比重0.4として、40t/10aくらいか。これだけ集めるのはかなり難しいと思われるが。
廃菌床を手に入れたら、発酵して、熱を持つので、すぐに使わない場合は、厚さ10cmまで、広げる。廃菌床を10cmも撒いてはいない。
炭素資材を入れる前に、最初だけは、廃菌床が手に入れば、10aあたり、1~2トンを入れると、転換が早まる。その後は、2カ月おきに、炭素資材を、1~2トン入れ続ける。一年目は、特に、炭素資材をたくさん(たとえば、2~5トン)投入できれば、微生物層が増す。
もし、炭素資材、廃菌床が十分に手に入るなら、年に10トン入れても、問題はない。それだけ入ると、土の団粒化が早くなる。
7) 炭素資材は、比重が0.25くらいとして、厚さ0.4cm程度になるということで正しいか。
1トンなら、そうなる。
8) 施用の仕方は、廃菌床も炭素資材も両方一緒に軽く土と混ぜるのがよいか。それとも廃菌床の上に炭素資材を施用するのがよいか。
両方、同時に施用する場合は、どちらでもいい。ただ、後者の場合、廃菌床は土と軽くかい混ぜる。
というよりも、2月おきに、炭素資材を施用していく場合、新しい炭素資材(廃菌床でも、炭素資材でもいい)を入れるにあたり、2か月前の炭素資材を5cm、レーキなどで、土とかい混ぜ、そのうえに、新たな資材を施用する。それを2カ月ごとに繰り返す。
9) 廃菌床と剪定チップなどの木材くずの他に、米ぬかなどを入れる必要はないか。また、廃菌床を入れなくても、剪定チップだけで充分か。
はじめだけは、できれば、廃菌床がよい。それも、入手できない場合は、剪定チップに少しヌカなどの発酵補助剤を混ぜて、10日余り発酵させて、熱が出てから使う。といっても、長く発酵させないで、糸状菌が増えてきたら、それが死なないうちに畑に施用する。50℃以上になると、糸状菌は死滅する。
それ以後、畑に糸状菌が用意できれば、2カ月に一度程度、剪定チップを補給していくことで十分、微生物を飼い続けることができる。
10)廃菌床はどのくらい頻繁に施用してよいか。
  新しい(腐敗していない、熱で菌糸が死んでいない)モノであれば、2カ月に2トンづつ施用しても、年に10トン施用しても問題はない。土がよくなってくれば、どんどん入れているところもある。ただ、廃菌床といっても、いろいろで、コーンコブを素材にした廃菌床は、腐敗しやく、気をつけなければならない。
11)廃菌床や炭素資材を撒いてからすぐに播種や定植をしても問題ないか。→林さんは、土が良くなれば、直ぐに蒔いてもいいと言っていたが。
   炭素資材(廃菌床も)を撒いてから、すぐに、その上に播種や定植は、(土がないので)しない。撒いたものを5cm、軽く土とかい混ぜてから、播種や定植をする。撒いて1,2カ月たった炭素資材の上なら、そのまま播種や定植ができる。(播種の時は、タネを蒔いた後、押えておく。)
 *稲垣正貴さんのコメント
   剪定チップと廃菌床の違いは、廃菌床は土に入れた時点ですぐに養分化するのに対して、剪定チップは菌床化するまでの時間分だけタイムラグがありますが、菌床化してしまえば何ら廃菌床と変わらない働きをするように思います。
ただし、剪定チップの菌床化は徐々に進行するようで、養分供給量が徐々に増大するという点が投入時から一定の養分を供給し続ける廃菌床と異なるように思います。
このタイムラグや養分供給量の問題についても、数ヶ月ごとにチップを追加するという方法を行うことによりフラットにすることができるように思います。
結論から言いますと、キノコ菌の餌やりをサボらなければどんな資材でもさほど効果に変わりはないのではないかと(笑)。
この点、本当にそうかどうか、今年後半にはある程度目星がつくのではないかと思ってます。                
廃菌床の最大のメリットは慣行からの転換が大変ムーズにできる点にあるのではないかと考えます。

注釈 これはHP「たんじゅん農法の広場」全般について、言えることですが、書いてあることをすべて正しいとしないで、そのまま信じるというのではなく、たたき台にして、実践で、検証し、議論をしていただきますようお願いします。
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Author:たんじゅん 
「虫がつく野菜は、人間の食べ物ではない、虫のエサ。人間の食べ物は虫がつかない野菜。虫も野菜も人も、すべてが生き生きとしている。もちろん、お百姓も未来の大人も・・・」。
それが、自然・天然の仕組みと聞いて、びっくり、納得。
人間の側からではない、天然の側からのたんじゅんな農法は、もしかすると、戦争のない平和で豊かな世界の一つの実験、実顕ではなかろうかと、その実践報告を集めている。
連絡先メールアドレス tanjun5s@gmail.com

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