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ブラジルのたんじゅん農法の実態

≪たんじゅんさん訪問≫ブラジル版
原田 篤(京都・美山)ブラジル訪問レポート   2010年2月
――― 冬の日本を離れて、原田篤さんが、避寒をかねてブラジルを訪れ、林幸美さんの案内で、「たんじゅん農法」の実践者を3か所訪ねられました。そこから、いくつかの貴重な資料と写真を持ち帰られました。
日本の数名の方からの質問に基づいて、原田さんが実際に調査されて、お答をいただきました。その「Q&A」のレポートを、お知らせします。

また、ブラジルの大学の教授の「無肥料栽培」についての実態調査・研究の動きについてもお知らせします。
1、中村さんの圃場
  (「炭素循環農法」のhpで<光る野菜の圃場>として紹介されているところ)

Q1  廃菌床を撒く厚さと鋤込みする深さ、そして土にどれくらいの深さまで棒が入るか。
A 廃菌床を撒く厚さは、1~3cm。 鋤きこみ深さは5~10cm。
 棒が刺さる深さは、適当に選んだ畝で、6.5mmの鉄筋が、1.5mでした。

Q 2 転換前と現在の土の状態の比較が出来る写真と、深さ25センチくらいまで掘ってみた土壌の断面の状態は?
A  中村さんの圃場のよい状態の畝を深さ50cmまで掘ったところ、雨の後にもかかわらず(こちらでは1ヶ月、毎日雨が降っています。70年ぶりぐらいの酷さらしいです。)水が溜まらず、土がべとつかず、さらっとしていました。スコップの抵抗が、40cmくらいの深さまではほとんどなく、団粒状態です。

Q3 畑の土が、炭素資材で覆われている畑では、作物はよくできるというのが、今のところの日本の畑の状態ですが、
そんなに覆わなくても、土がかなり表面に出ていても、作物がよくできている、といった畑があるのか、どうか、見てきていただきたい。
A  中村さんの圃場は、菌床を鋤きこむので作物を育てているところの表面は土でした。

Q4 よくできている畑では、どの程度、炭素資材を入れ続けているのか、一年にどのくらいの量、また、どのくらいの間隔で入れているのか。
A 中村さんは、畝長さ70m×畝幅1.4m(通路が0.3から0.4m)に対して400kg。単純に計算して反当り1回で約5トン。 年間で少なくとも3,4回 多いところは5.6回 
 
Q5 炭素資材の種類は、どんなものを入れているのか、同じものを入れ続けているのか、いろいろ入れているのか。
A 中村さんのところは、廃菌床のみ。

Q6 「炭素循環農法」をやり続けて、何年か。その間に、炭素資材だけを入れているのか、それとも、他のものを足しているのか。葉面散布とか、ミネラルとか、・・・
A 中村さんで、2年目。廃菌床と虫に食われた野菜、作付けが間に合わずに伸びてしまった雑草(種を落としたくないので混ぜる)の鋤きこみ。葉面散布、ミネラルはなし。

Q7 何年もやっておられる方は、何か、問題が出てきていることはないのか。なにもないのか。これからの課題は?
A 中村さん。野菜、雑草の生育が速い。育苗、収穫等のリズムが今までと違うから、間に合わない。
 苗が間に合わないときのために、購入苗(施肥苗)での、実験を始めるところ。   

Q8 植える時期、床土の質、あと植えてから葉っぱの色の変化に違いはあるか。 慣行技術との大きな違い意識や起こっている事象の捉え方など。  この間ピーマンを見に行ったところでは定植後しばらくは葉色が黄色くなったままであると伺いました。  そちらでは暖かい陽気なので分解が早く日数的には短くて済むと思うのですがその辺についても。 
A 定植。カリフラワーは、播種後1月以上たったものを水だけやって管理していた。スーパーセルトレイ苗と似た状態と思われる。
 床土は、椰子の繊維と、畑の土(セルトレイから抜くと、土が落ちる。活着が悪い)繊維+菌床+粘土で土が落ちないように実験中。 
 キャベツ、ブロッコリーなどの苗の葉色は、濃いめ(乾燥気味の管理だからか?)。定植後に、薄くなる。濃いのは養分不足により、紫がかった色になるという意味です。定植後に薄くなるのは、普通の緑色になるという意味です。
   
Q9 種について、そちらでは事情が切羽詰っているのであるものをとにかく蒔くという状況のようですが、その中でも違いというのはあるはずです。  土ができるまでは耐病性のものをつかい、あらかた手ごたえが出来たら食味や見栄えのよい品種を用いるというような現場の方の理想なども聞いておきたいです。
 種については、理想はオルガニコ(有機?固定種?)の種があれば使いたいとのことですが、ないので手に入るものを使っているということです。施肥栽培用の購入種子の場合、生育が途中でおかしくなることがあるようです。根の能力に偏りがある(硝酸ボケ?)かも知れないとのこと。また、同じ会社の、同じ名前の種子でも中身が同じとは限らない事も悩みの種。

Q10 果菜類についても伺いたいのですが
 果菜類は、現在は忙しくて、やっていないとのことです。

Q11 廃菌床を使っている仲間が、トラクターで耕すのですが、どうもそうすると、5cm耕すとはいかず、土の中に菌床がすきこまれ、有効に働いていない感じです。深く耕し、雨でも降ると、有効どころか、悪さをしているよう。
そちらでは、当然、トラクターで耕しているのでしょうが、どの程度の深さでしょうか。
A  中村さんで5cm~10cm

Q12 長い間に、土ができているので、それも問題はないでしょが、初めのころは、どのくらいの深さで耕していたか、また、雨の降る時は、どうだったのか、初期と今とどう違うか、聞いてもらえませんか。
A 初めから5から10cm。転換以前からトウモロコシを鋤きこんでいたので、表層は土壌改良が進んでいたようです。
  原田の推測ですが、トラクターのロータリーがタイヤの幅より狭いので、タイヤの跡は土が沈み、結果的に畝(高さ10から20cm)立てが行われていました。初めのころはそのおかげで、酸欠が起こりにくかったのかもしれません。
 ちなみに中村圃場では、雨の跡でも畝表面に水溜りは「全く」ありませんでした。そして、表面の土はべとつかず、さらっとしていました。靴で踏むと、団粒それぞれが体重を受け止める感じで、非常に心地よい。靴に土はつきませんでした。
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 Picasa ウェブ アルバムで、林さんが、中村さんの圃場の写真を3月末まであげる予定。
Picasa ウェブ アルバム - modoki http://picasaweb.google.co.jp/nikyuni/

2、イタペチ圃場
 両圃場とも傾斜地で、ピーマンの遠藤さんの所と同じような砂地でした。

Q1  柿を作っていられるのですか、熱帯式の落葉果樹の特徴や大きな管理の違いについて興味があります。   そこは炭素循環方式ではないのですか?  
A圃場訪問後に確認したメールです。管理の違いなどは聞けませんでした。
 果樹については、草刈後、その場に放置。選定枝は株元に放置。手をほとんど、かけていないということで、肥料もほとんどやっていないとの事でした。
 傾斜の高い所は、生育が悪い。低い所はよく茂っている。「肥料が雨で、低地に流れた」と林さん。

 野菜も同じ現象が起こっていたが、水の流れが最も集中する所に植えられたナスは病気でほとんど全滅。
Q2 果樹の場合は、どの程度、炭素資材を撒くのか、畑と違い、永年作物は炭素資材をあまり与えて、急激に変化を与えないほうがいい、と林さんは言っておられますが、どうですか
A 炭素資材を数センチ撒き、浅く土と触れるように混ぜる。
 急激な変化を与えないようにするには、ロータリーの爪の数を減らして、虎刈りのように混ぜ込みをしてはどうかと林さんは言っていました。
ただ、根が表層に伸びる果樹や、有機物マルチなどで表層に根を伸ばしてしまった果樹の場合は、敷くにとどめる。
植え替え時には、高炭素資材を混ぜ込んで、表層を乾かし、水遣りを工夫し、根を深い所に誘導する管理(遠藤さんのピーマンと同じ)ができると林さんは言ってました。

3、山田勇次圃場
バナナ王と呼ばれている山田さんは、「炭素循環農法」に切り替えられて、半年。すでに、その成果が出てきている。山田さんは、ブラジルでバナナ王と呼ばれている方。<山田勇次>で検索すると出てくる。

バナナについては、いろいろな土質のところで栽培していましたが、印象深い事は、
1、肥料は周りの人よりかなり少なめ(場所によっては3分の1)
2、水やりの回数が周りの人より控えめ。量は同じ。(場所によっては周りの人が毎日2時間のところを、山田さんは週に1回14時間やる。)そのことで、酸素を供給し、根を深く張らせる。
ということです。2は施肥、無施肥共通のポイント。肥料たくさん撒いても収量が上がらない経験もされていて、その結果、林さんのHPに興味を持たれたのかもしれません。
また、バナナだけでなく、マンゴー、カシューナッツ、みかん、乾燥地でも育つ果樹、野生の果樹の試験栽培等、多種多様な果樹を栽培されてました。栽培だけでなく、果樹や野菜の仲買もされていて、たんじゅん農法で、いいものが出来るようになったら、グループを作って、大手に買いたたかれない仕組みを作りたいともおっしゃってました。
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*林幸美さんからの、山田圃場に出かけた際の日本へのメール
今日、ジャナウーバ(ブラジルのバナナ王 山田勇次さん)から帰ってきました。
疲れがたまったのか原田君は風邪でダウン。まあ、若いから1~2日寝れば治るでしょう。
ちょっと、強行軍だったようです(バスで片道一昼夜で日本までと同じ、7日~12日)。
何れ原田君が詳細を報告すると思いますが、「すごい」の一言。規模(15,000haの一部)だけではありません。
先ずは場所。熱帯、乾燥地(半年以上一滴の降雨もない)ですが湿地、痩せ地、肥沃地、多様な土質(土質の見本市状態)、広大。
常識的に見れば、非常に過酷な条件(既に大勢の者が失敗している)ですが、灌漑用水路が整備されていて炭素循環農法なら天国です。

本当にすごいのは山田さんの姿勢。
即実行。炭素循環農法を知ってから、まだ半年も経っていないのに既に成果が上がり始めています(本人は気付いていなかった?)。
もう(成果が上がる前から)、仲間作りから販売戦略まで、大まかな構想を作り上げています。
いよいよ(昨年は2の年)地球を串刺しに両軸が揃いました。
もう、怖いものなしです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ブラジルの総合的な感想は、出来しだい送ります。
以上、原田です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
原田さんが、ブラジルから持ち帰った資料は、以下の通り。
1.大雨での土壌浸食の動画(ウェブアルバムの機械屋さんによる撮影)。
2.林さんの撮影による写真と3の資料をスキャンした画像。
3.機械屋さんに頂いた紙媒体の資料。
4.原田撮影による写真。(05年度と10年度分)
すべて、下記のメールアドレスに、保管させてもらっています。ただし、文字はすべてポルトガル語です。
moji111@sky.tnc.ne.jp

補足
林さんから以下のメールが届きました。
ブラジルでは著名な土壌微生物研究者が本格的に無施肥の研究を始める
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面白くなってきました‏。
今、ロベルト迫さんより電話がありました。
大変興奮した様子で、ピラシカーバ(USP農大)へ行ってきた。
USP(サンパウロ総合大学)農学部のエルゲ?教授(ブラジルでは著名な土壌微生物研究者)が本格的に無施肥の研究を始めるとの報告です。
教授の話では、
白石さん(モジ市)慣行農法と、中村さんとを、土壌分析の結果で比較すると、無肥料栽培のほうが、
 肥料成分が半分(多分、全Nのこと)。
 バイオマスが15倍。
前回調査の窒素固定菌が9倍のこともあり「これなら科学的に証明し、正式に学会に発表できるだろう」と本格的に研究に取り組み始めたとのことです。
面白いことに、
白石さんは、明子の兄の結婚相手の親の実家。
中村さんの、隣の親戚(嫁いでいる)。
という関係で全部つながっています。
そこで、お願いです。
ロベルトさんの資料と、この話を東大の農学部の方(中田美紀さん)に伝えて下さい。
また、農林省の研究者の方にもお伝え下さい。
研究者同士で、情報交換や共同研究が出来るようになれば素晴らしい成果が上がると思います。
実践、学術の両輪が回らなければ、全世界の人々のものにはならないと思います。
よろしくお願いします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
面白いことになりそうですね。
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たんじゅん 

Author:たんじゅん 
「虫がつく野菜は、人間の食べ物ではない、虫のエサ。人間の食べ物は虫がつかない野菜。虫も野菜も人も、すべてが生き生きとしている。もちろん、お百姓も未来の大人も・・・」。
それが、自然・天然の仕組みと聞いて、びっくり、納得。
人間の側からではない、天然の側からのたんじゅんな農法は、もしかすると、戦争のない平和で豊かな世界の一つの実験、実顕ではなかろうかと、その実践報告を集めている。
連絡先メールアドレス tanjun5s@gmail.com

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